役立つタネツケバナ

trifolia

チューリヒ市の植物という図鑑がある。ETHの昔の教授によって、恐るべき詳しさで調査されている。アブラナ科を見ていると、タネツケバナ属のCardamine trifoliaが市内の数カ所で観察されていることに少々驚いた。スイスでは稀な森林性の植物だと思っていたからだ。


ドイツ語の解説をみたところ、庭で植栽されているのが多少野生化しているらしい。クローン繁殖で面を埋め尽くす性質があるので、たしかに庭に便利だ。研究所の人で自分の庭に植えているという人もいた。写真は、植物園での4月の開花時である。自分の研究に関わる植物が園芸植物として役に立っているとは少々うれしいことだ。別に自分で何もしていないけれど。