4ヶ月かかった技官募集

決まるまでこの日記にはあまり書かなかったが、技官募集から4ヶ月ほどかかり、この期間の主要な仕事の1つだった。まず、研究所の人たちに募集広告のテンプレートをもらい、求人広告を見る人がどこに着目するかを検討。募集経験のある人たちに何度か添削してもらった。6月頃には、応募者の参考にもなるよう、研究室ホームページを含めて準備した。これがまた大変。
http://d.hatena.ne.jp/Shimiken/20060613


広告を出す場所は、オンラインのtelejob http://www.telejob.ethz.ch/telejob/offers.xmlを薦められた。スイスの研究関係の求人がかなり集められている。また、Zurich-Basel Plant Science Centerにも掲載してもらった。しばらくで10を超える応募が来た。修士号もちの応募が多く、ヨーロッパでPh.D.コースに入る難しさが伺われる。外国からの応募も多い。また、スイスは4年コースの技官学校があり、実習として大学や研究所などで働きながら資格をとるようだ。


募集のポイントの1つは、英語とドイツ語の両者に堪能で、大量のドイツ語事務書類を英語にできること。そもそも、チューリヒ大学のofferのネゴシエーションのときに、山のようなドイツ語を出されたので「こんな状況ではとてもオファーを受けられない」といったら、大学予算で技官がついたのである。


そこで、募集はあえて英語で書き、英語で応募するように書いた。しかし、ドイツ語で送ってくるものも少なくない。読めない以上検討できない。


応募書類を見て難しいのが、スイスやヨーロッパの教育システムがよく分かっていないために、経歴を見ても判断がつかないこと。高校や技官学校で、生物6点、化学5点といわれても、いいのか悪いのか(実は6点が最高点なのでとてもよい)。


ついで面接。会ってみると、どの人も一緒に研究できたらいいなあと思う人ばかりである。ここでのポイントは、ドイツ語と英語の両者に堪能なこと。もう1人教授に同席してもらえて助かった。


このあたりで7月に入ってしまったのが痛かった。大学予算事務や就労許可関係者が、夏のバカンスに入ってしまって手続きが進まない。これはアメリカにも似ているが、ある特定の担当者がいないと、他に誰もわからないのである。一度決めかかった人が、予算手続きに時間がかかっているうちに他の職をみつけてしまった。学んだことは、7,8月に事務手続きをするのは無理だということ。外国にいったら、1つずつ痛い目に遭わないと分からない。


このころに応募してきたのがA。決まるときは簡単に決まる。結果的に、非常によい人が見つかったと思う。