ピーター・グライムズ

特筆しておきたいのは、ブリテン作曲のピーター・グライムズのオペラ。子どもの頃から「4つの海の間奏曲」が好きで、去年から楽しみにしていたのだ。相当にマイナーな20世紀オペラといえると思うが、こういった演目が普通に演奏されるのが、伝統を背にしたヨーロッパの余裕というものである。ブリテンの卓越した管弦楽法は、巨匠たちの肩に乗っているからこそ可能になったもので、19世紀以前にはありえなかった音である。