高山植物の自然史

高山植物の自然史―お花畑の生態学

高山植物の自然史―お花畑の生態学

飛行機では「高山植物の自然史」を読んでいた。熱帯に行ってまで高山植物はないだろうと思うかもしれないが、アンデスの植生パラモは、高山ツンドラである。


本が出た10年ほど前は、形態や系統に興味があり、あまりおもしろみを感じられなかったが、いま見ると、次の一歩のための使える情報がつまっている。研究経験を重ねてはじめて、総合的視点の生態の面白さがなかなか腑に落ちたように思う。


ラクティカルに気になるのが、発芽のための環境条件。種子を集めてきても、発芽しなくては困る。プレート上で発芽せず困っていたものを、机の上に置き忘れていたら発芽したということもある。温度の変動がトリガーになっているのかもしれない。シロイヌナズナの論文を探してみたところ、古くから発芽の生態学が研究されている。きっと強い自然選択がかかっているだろう。
BASKIN JM, BASKIN CC
ECOLOGICAL LIFE-CYCLE AND PHYSIOLOGICAL ECOLOGY OF SEED-GERMINATION OF ARABIDOPSIS-THALIANA
CANADIAN J Bot 50: 353-360. 1972