セミナー

数学者を招く

京都での旧知の数学者Oさんをお招きして、生物寄りの数学のセミナーをしていただいた。スペインとロシアの学会の通り道で、題はStudy of Integers Inspired by Biological Growth。アンモナイトや花の形態やネズミの増殖をもとに、フィボナッチ数列などの話…

コアレセント理論つづく

Zollnerの講義の一つ目は、ベイズ統計全般について。主な計算方法にImportance samplingとMCMCとある。共同研究者GrahamがImportance samplingで計算してくれていたのだが、この二つの違いが気になっていたのだ。話によれば、どちらを使うかは好みにもよると…

コアレセント理論ワークショップ

ワークショップの初めは、コアレセント理論のみならず、分子集団遺伝学を築いた1人である大御所Hudsonの講義。Hudson's estimatorやHKA testのHなどに名を残している。コアレセント理論は、Kingman (1982), Tajima (1983), Hudson (1983) らにはじまる。 講…

全ゲノム配列:共生菌と病原菌は紙一重

細菌クラミジアは、ヒトの細胞内に感染する病原菌である。その近縁種プロトクラミジアは、アメーバ細胞内にいる共生細菌である。全ゲノムが読まれてみると、共生細菌のゲノムサイズの方が2倍大きく、病原菌の遺伝子をほとんど持っていた。つまり、新しく遺…

ダーウィンと異型花柱性

The Different Forms of Flowers on Plants of the Same Species作者: Charles Darwin出版社/メーカー: Univ Pr of the Pacific発売日: 2002/05/01メディア: ペーパーバック クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る ダーウィン著作集〈3〉植物の受…

アグロバクテリウムも共生系をつくる

植物研究所には微生物の研究室もあり、今日のセミナーではIndiana UniversityのClay Fuquaから微生物学microbiologyの面白さを改めて学んだ。 An D, Danhorn T, Fuqua C, Parsek MR. Quorum sensing and motility mediate interactions between Pseudomonas …

エピジェネティクス

ショウジョウバエとシロイヌナズナの遺伝学を使って、ヘテロクロマチンの研究を続けてきているGuenter Reuterのセミナー。エピジェネティクスのメカニズムの研究はいうまでもなく近年の生物学の焦点のひとつ。進化的なタイムスケールでもエピジェネティクス…

種とは何か

David Baumのセミナー2つ目である。欧米では今でも真剣に種の定義をどうすべきか議論しているのだ(あまりばかにしすぎないように)。 問題意識は、地球環境保護などの社会への責任であるように思われる。哲学的な観点からみれば、これ以上議論してもあまり…

Evo-Devo:植物の形とLEAFY遺伝子

今日のセミナーは、植物のEvo-Devo分野の創始者の一人であるDavid Baum。進化学会のシンポジウムに呼んでもらって以来、いつも会うのを楽しみにしている。系統学のバックグラウンドからスタートして、発生生物学との間をつなごうとしている。 Yoon HS, Baum …

 種子発芽

ジュネーブ大学のLuis Lopez-Molinaのセミナー。種子は雨などの刺激で発芽するが、発芽直後に乾燥が続いて、「しまった、発芽しなければよかった」ということもある。その場合に、植物ホルモンABAの合成を通じて、芽生えが再び乾燥耐性を備えるという。この…

生態学に統一理論はあるか?

生態学の重鎮Samuel Scheinerのセミナーのため、環境学科のあるIrchelキャンパスに出かける(写真)。生態学のさまざまな分野に登場する人で、たとえばシロイヌナズナを生態学に用いたはじめの一人でもある。教科書を3冊引用してみた(私は生態学バックグラ…

ホルモン膜輸送タンパク

最近の植物研究の焦点の1つは、間違いなく植物ホルモンであるオーキシンである。極性輸送を司る膜タンパクPINがみつかり、TIR1が受容体であることがわかり、ダーウィンに連なるオーキシン研究が分子レベルで劇的に進んだ。次の最近の論文は、PINに加えてPGP…

ミヤコグサ近縁植物の花形態

同じ建物の系統植物学科のセミナー。セミナーホストのPeter Endressは、花形態の第一人者で、私も彼の教科書で勉強した。Diversity and Evolutionary Biology of Tropical Flowers (Cambridge Tropical Biology Series)作者: Peter K. Endress出版社/メーカ…

前ボス

研究所ゲストが3人続き、非常に楽しかった。今日はアメリカでのボスのマイケルのセミナーだった。この職を見つけるにあたっては彼の全面的なサポートなしにはありえなかった(ジョブサーチとはどんなものかについては、余裕があるときにまた)。チューリヒ…